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日常と萌えの呟き場。
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辛抱堪らず雪風SS。
自分以外には需要がないこと請け合い笑。




 *****


※※

今までの人生と同じように、命じられるまま、促されるまま、辿りついたフェアリイ星で。

青ではない空。
尾を引く赤い川。
葉の繁らない無機質な森。

零は地球とは何一つ交わらない風景には何の感慨も浮かばなかったが、ただ一目で心臓を鷲掴みにされる運命に出会った。


つんざめくエンジン音。

優美な体躯をもったいつけるように見せつけて、それは零の目の前で飛ぶときを今か今かと待ちわびていた。


「あれがお前の乗る機体だ」


傍らでは上官が得意そうに目を細めてその機体を眺めているが零はそれすら見えていなかった。


ただ目の前にいるあの機体が。

運命だと。

零は、こぼさんばかりに目を見開いた。


「あれが風のように空を飛ぶ」

いかにも詩人めいた上官の独白に、零は逸る気持ちのまま呟いていた。

「あれは風じゃない」


それはエンジン音に紛れても仕方がない小さな呟きだったが、ブッカーは聞いていた。必要最低限のことしか喋らない部下が自分から声を発したことに、驚きながらも。


「風なんて優しいものじゃない。あれは、雪風だ」


意思を宿した固い声だった。驚いてブッカーは隣の部下を見下ろすと、そこには何事にも興味関心を持たなかったこの部下の、初めて見る硬質な輝きに彩られた双眸があった。


「吹雪のことか」

まるでその吹雪に打たれているように、零の髪は弄られ思わぬ幼い横顔をさらす。ブッカーは自分より頭一つ分小さい部下の頭を撫でて、管制室へ足を向けた。


「グッドラック零、雪風」

そんなブッカーを振り返ることもなく、零はただ食い入るように『雪風』を見上げ続けた。



※※

雪風に一目ぼれした深井さんと、そんな深井さんに恋しちゃった(爆笑)少佐の話。ブッカーって零のお父さんだと思うんです。ここで初めて、ブッカーも一部下でしかなかった零に興味を持つといいなと。

うちのスタンスは雪風×零(笑うしかない)+パパ・ブッカーです。ああ、夢も書きたい気がしてきたなあ・・・・。
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